厚生労働省は1月11日~17日の1週間における定点医療機関からのインフルエンザ罹患者の報告数は65人(昨年83,037人)で、昨年9月から20週のインフルエンザ罹患者数も1,000人程度と発表しました。インフルエンザの発生状況が激減しているのは、マスクや手洗いなど、新型コロナウイルスの感染予防の徹底や国内外の往来が激減していることが要因と考えられます。国内でインフルエンザを直接の死因とする死亡者数は2,000~4,000人とされていますが、既往症がインフルエンザに罹患したことによって重篤化して死亡する超過死亡数(10,000人程度)からすると新型コロナウイルス感染症と入れ替わったかたちです。連日の報道では新型コロナウイルスの感染によって医療提供体制が逼迫し、「助かるいのちが救えない」とのことですが、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行が無い状況で、増加しているとは言え、コロナの罹患者数が例年の季節性インフルエンザ罹患者数よりも少ない状況での医療提供体制の逼迫は、病床確保の偏在に問題があるように思います。国会の論戦では医療機関や飲食店に対する営業補償、保健所の疫学調査に対する協力義務、ペナルティーの規定などに質疑が集中していますが、医療提供体制を維持・存続させるためには、感染収束までの間、官民や規模の大小を問わず、医療機関の連携・協調を徹底させる以外に方途はないと感じます。