10月23日、公益財団法人日本国際問題研究所(JIIA)は、松江市で記者会見を開き、島根県の竹島を日本領と記した米政府の195354年作製の航空図2点を、米国立公文書館で発見したと発表しました。JIIAは、1959年(昭和34年)12月に国際問題の研究、知識普及、および海外交流の活発化を目的に中長期的な外交問題の研究を行う日本の政策シンクタンクとして設立され、現在は、時事的な国際問題の分析・検討を行なう雑誌『国際問題』などを刊行し、世界のシンクタンクTOP50の上位にランキングされています。竹島は1952年(昭和27年)1月18日に韓国の初代大統領である李承晩が国際法を無視した「隣接海洋に対する主権宣言」とする大統領令、いわゆる「李承晩ライン」によって設定した韓国と周辺国との間の水域区分によって韓国側に取り込まれましたが、日本政府は1952年4月28日に発効したサンフランシスコ平和条約で「日本が放棄すべき領土に竹島は含まれていない」として領有権を主張してきました。今回の発見は、サンフランシスコ平和条約の内容を反映したものと考えられ、国際法上は韓国の不法占拠を裏付けする有力資料ではありますが、独島として実効支配し、国際法廷の審査に応じない韓国の態度を覆すことは難しいのが現状です。2020年1月21日に領土・主権展示館が虎の門三井ビルディングに移転オープンし、10月31日から広島市で、11月14日から松江市で地方巡回展が企画されてはいますが、日本政府は、もっと国内外に日本の主張の正当性をアピールすべきで、腰の引けた従前通りの対応では国際社会の理解など得られるはずはありません。