島根県議会中山間地域・離島振興特別委員会(園山繁委員長)は隠岐地域で地域資源を活用した産業振興や医療提供体制の状況について実地調査を行いました。島後地域では、隠岐の島町の医療拠点となっている隠岐病院、まき網漁業で若年世代を雇用し、ワカメ養殖や塩干・練り製品の加工によって主婦や高齢者の雇用を進める祐生水産㈲、クロマツやスギなど隠岐の島町産の木材を建築デザイナーや工務店と協力して高級建材や家具、照明器具などに商品化する取り組みを進める㈲池田木材店の3か所、島前地域では、建設事業者の異業種参入で『島生まれ島育ち「隠岐牛」』ブランドを確立して和牛の繁殖・肥育一貫生産に取り組む㈲隠岐潮風ファーム、イワガキや白いかなどの海産物の有利販売で成果をあげている㈱ふるさと海士CAS凍結センター、総合診療医による地域包括ケアが地域医療の成功モデルとなっている隠岐島前病院の3か所をそれぞれ訪問し、関係者の意見聴取や施設見学を行いました。訪問した事業所に共通するのは「Iターンの若年従事者」で、ゆっくりとした時間軸が流れる離島の暮らしを魅力と感じる若者たちの感性が『過疎化・高齢化』に抗う大きなちからとなって定着しつつあることを目の当たりにし、白石院長(隠岐島前病院)の「『ないものねだり』ではなく『何とかする』という思考から発する取り組みの実践が島外の人には新鮮な魅力に映るのかも知れない」とするコメントが印象的でした。