新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長がお盆の帰省について慎重に考慮するよう求めたのに対し、西村康稔経済再生担当相は、「一律自粛は求めない」としながらも「感染リスクも考えて、国民の皆さんが各自で判断してほしい」と述べたとあります。政府はGo-Toキャンペーンでレジャー推進を掲げる一方でお盆の帰省を国民の自己判断に委ね、都道府県知事が自粛を呼びかけるという奇妙な状況は、新型コロナウイルス感染対策に一貫性がない証左で、国民の理解が得られるはずはありません。昨日、次のような事例に遭遇しました。今春、東京の大学に進学したAさんは書き入れ時のお盆を前に自営業の両親を手伝うために夏休みとなった8月4日に帰省しました。Aさんは、新型コロナウイルスの感染者が多い地域からの移動にかかわるガイドラインによって自宅で2週間の健康観察が求められるため、お母さんから妹(4歳)の通う保育園に対し保育の可否について相談がありました。保育園が保健所に設置されている相談センターに事例照会したところ、「家庭内に健康観察の対象者がある場合は同居家族の外出は自粛が望ましい」とし、「あくまで、保育の可否は設置者の判断による」と回答されました。Aさんや児童に発熱など健康上の懸念はなく、保育園では平常通りの保育を継続する方針を示しましたが、夏休みで帰省する学生やお盆で里帰りする人に2週間の健康観察は現実的ではなく、感染の有無を確認できる検査体制がきちんと確立されていれば、3密回避の徹底を心掛けるだけで、過大な自粛は必要ないはずです。政府のコロナ対策には「翔ぶ前にまず足許を見よ」とする姿勢がほしいところです。