「クールビズ」の定着で死語になりつつありますが、6月1日は「衣替え」の日です。四季のある日本では、古来(平安時代)から服装のみならず持ち物や建具、調度品などを入れ替えする風習がありましたが、空調機器の普及や「ノーネクタイ・ノージャケット」「自由服」などの導入でほとんど見られなくなりました。着物は「袷」「単衣」「薄物」の3つに区別できますが、冬には袷の着物に中綿を入れた丹前や半纏、羽織、袖なしなどを用意し、春には中綿を抜きますが、「四月一日」と書いて「わたぬき」と読むのはその名残りです。さて、安倍首相はさきの記者会見で、新型コロナウイルス感染の第2波に備えて「新しい日常」として「3密を避ける行動」を呼びかけました。2月27日から始まった「自粛」によって観光や接客、娯楽などの業種は瀕死となり、行動制限の長期化は交通関連分野にも大きな影響を及ぼしており、感染発覚から5カ月を経過してなお能動的な対応が示されないことに住民の不満が増嵩することは自明です。温暖化対策として提唱された「クールビズ」があっという間に定着して「衣替え」の風習が飛んだように、日本人の順応力は傑出したものがありますが、「新しい日常」が日本の文化である「接客(おもてなし)」を廃らせ、旅館や料亭、お茶屋などの衰退にリンクすることは避けなければなりません。