SNSで「 530日の午後に検察庁前でテンピンレートで麻雀をやろう」と呼び掛けるイベントが開催されたとあります。実際は、検察庁前の路上ではなく、日比谷公園で行われたようですが、週刊文春が報じた東京高検黒川弘務検事長の新聞記者宅での賭け麻雀は「テンピン(1000点=100円換算)はセーフ」とする基準が独り歩きする奇妙な結果となっています。マスコミや国会では20173月に陸上自衛隊青野原駐屯地内の生活隊舎で自衛官9人が賭け麻雀をして懲戒処分を受けたとして黒川検事長の訓告処分を不当とする指摘がされていますが、仕事場とプライベート空間での所作には大きな違いがあり、行政処分と刑事処分を混同した言論はいかがなものかと思います。朝日新聞は黒川検事長と麻雀を行った社員を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表しましたが、新聞記者のみならずマスコミ関係に従事する人が取材対象とする政治家やネームバリューのある人と麻雀に興じることは珍しいことではなく、今回の賭け麻雀は東京地検に賭博行為として刑事告発されてはいますが、事件として警察や検察が関係者の逮捕や書類送検を行うかどうかは疑問で、新聞社の処分はいささか早計と考えます。外電では、韓国の命洙大法院長が「良い裁判は国民目線に立った判断」と述べたとありますが、価値判断の基準を法や正義でなく『世論』とする風潮を許容してはなりません。国会では黒川氏の賭け麻雀を賭博行為と厳しく糾弾・追求されていますが、周囲に同様事案があれば必ずブーメランとして帰ってくることは必至です。勤務時間中の賭け麻雀ならともかく、プライベートタイムの息抜きは『許容の範囲』としてけん責、戒告程度が妥当なところだと思うのですが…