2017年5月に成立した「民法の一部を改正する法律」は、1896年(明治29年)に制定された債権法を120年ぶりに改正したもので、「保証人の保護」「 約款(定型約款)を用いた取引」「法定利率」「消滅時効」など、社会経済状況の変化に対応した契約等に関する大幅な見直しが、本年4月1日から施行となりました。特に、今回の改正では、主債務者と同等の責任を負う連帯保証人制度について大きな変更があり、主債務者から連帯保証人への情報提供義務や主債務者が期限の利益を喪失したときの債権者から連帯保証人への通知義務、保証契約の中途解除などが規定されています。従来、担保や個人保証が常識であった金融機関の融資取引条件は、金融庁の指導もあって「事業性や採算性の評価」へシフトしつつありますが、今後、一層、その傾向が強くなることは必至で、県内の金融機関でもそうした姿勢が見られます。ところで、新型コロナウイルスによる制度融資では、政府系金融機関の実施要綱に、法人の代表である場合を除いて個人保証を求めないことが明記され、県の制度融資では、島根県信用保証協会がその役割を代行するとしています。緊急事態宣言の延長によって資金繰りが逼迫する事業所には、ひとまず「事業性・採算性」はおいて、事業の継続・存続を図るため、緊急避難的な支援が迅速に受けられるよう、関係機関の皆さんに適切な対応をお願いする次第です。