4月25日、島根半島の海岸で釣り人の転落事故がありました。釣り場が人の目につき易い場所であったことが幸いし、一命は取りとめたものの、海岸地域に住む人たちからは「頼むから来ないでくれ」との悲痛な声が上がっています。島根半島沖は暖流と寒流が交差する地域でもあり、魚種が豊富で、半島地域一帯の磯には年間を通じて、県内外からたくさんの釣り人の姿があります。新型コロナウイルスの感染に関わる緊急事態宣言が発令された後も、磯には釣り人の姿がありますが、磯場のパトロールをしている漁業関係者から、「普段見かける広島や福山ナンバーの県外車よりも東京や大阪、神戸などのナンバープレートが多い気がする」「車の中に寝袋を持ち込んでいる者もある」といった報告を聞きました。半島地域の集落は、狭隘な谷間に家屋が密集していますが、ほぼすべての集落で高齢化が著しく、「コロナウイルスが入り込めば止めようがなく、ほとんどが重篤化する」とする住民の不安は大きく、「丸山県知事さんに、湘南や富士山のように、『しばらくの間、県外から半島地域に釣りに来ないでくれ』とTVで放送するように頼んでください」とのお願いがありました。コロナウイルス感染の有無が判明するPCR検査がいつでもどこでも簡単に受検でき、非感染が確認できる体制整備があれば、外出の自粛や移動制限を緩和できるばかりでなく、住民の皆さんの不安も一定程度解消できると考えますが、初めて国内感染が報告された1月16日から100日を経過して、なお、厚生労働省の姿勢は変わらず、時間とともに感染と自粛の範囲が拡大しているのは面映ゆいところです。