大相撲初場所は前頭西17枚目(幕尻)の徳勝龍(木瀬部屋)が、千秋楽の結びで大関貴景勝を寄り切り、14勝1敗で優勝しました。徳勝龍は関脇で10勝を挙げ、大関昇進の足掛かりをつけた前乃山や宝富士、志摩ノ海などとともに近畿大学出身で、1月18日に急死した伊東勝人監督さんに大きな恩返しを果たしたかたちで、理屈では説明できない「目に見えない大きな力」を感じます。また、今場所はケガや病気で休場を余儀なくされ、ともに序二段まで番付を下げていた元大関の照ノ富士が十両で、元幕内力士の宇良が序二段でそれぞれ優勝し、復活を遂げたことは「あきらめないという強い意志が困難を乗り越える」ということを身をもって示しました。また、昨年9月に開催されたMGCで4位に沈み、東京五輪代表を逸した松田瑞生(ダイハツ)が日本歴代6位の2時間21分47秒で優勝し、日本陸連の五輪出場設定記録(2時間22分22秒)を破り、代表最後の1枠の獲得に前進しました。代表は3月に開催される名古屋ウィメンズマラソンの結果待ちとなりますが、松田選手の快走も「あきらめない姿勢」が、自ら良い結果を引き寄せる原点となることを示したと言えます。ただ、気がかりなのは春節(旧正月)となり、中国を中心に長期休暇を海外で過ごす人が増加し、今年もたくさんの人が訪日していますが、中国の武漢で大規模な新型コロナウイルスの感染が拡大していると伝えられ、すでに日本国内での感染も確認されているだけに、インバウンドの拡大の流れで、無防備なままでの観光客の受け入れによる日本でのウイルス蔓延を懸念するところです。