「事実は小説より奇なり」と言いますが、昨年末、保釈中の身であったカルロス・ゴーン日産自動車前会長の中東レバノンへの逃亡は、サスペンスドラマを見るがごとくの所作です。報道によると、昨年12月29日に関西空港からプライベートジェットで出国し、トルコ経由でレバノン入りしたと見られていますが、楽器ケースの中に身を隠して違法出国した可能性が強いとのことで、日本の法務・検察および入管当局は徹底検証の上、関係各国に協力を要請して早急に身柄の確保を図らなければなりません。そもそも、「不正と政治的迫害から逃れた」とするゴーン前会長の声明自体が身勝手極まりないものであり、逃げ得を許しては日本の司法制度への信頼や法秩序が崩壊しかねない重大事態だと思います。昨年の内閣改造後に辞任した閣僚の方々も同じですが、社会的に高い地位にある人たちであればあるほど「疑念」に対する説明責任があり、司法当局から違法行為を指摘されて訴追された場合にば、自らの良心に従って、裁判の場で堂々と潔白を主張すべきだと思います。