要望活動で上京中に滞在してたホテルの客室で目にした10月31日の未明の首里城炎上は、寝ぼけ眼の小生には映画のワンシーンとしか映らず、現実のニュース画像と分かって、しばし唖然としました。沖縄戦で焼失した首里城は施政権がアメリカから日本に返還されてから20年となる1992年から復元され、2000年に世界文化遺産となるなど、「沖縄の顔」であるだけに関係者の皆さんの心中を察すると言葉もありません。ブラジルの国立博物館やパリのノートルダム寺院の火災を教訓に、政府や地方自治体は文化的価値を持つ建物の防火対策を講じてきてはいますが、予算や取り組みは、あくまで「一定の法令の範囲内」の取り組みでしかなく、平成年間に建造された木造の首里城にスプリンクラーが設置されていなかったとのことです。今回の火災については、原因究明が不可欠であることは言うまでもありませんが、日本の伝統建築物のほとんどは、石造の欧米と異なり、「木」「土」「紙」でつくられているだけに、防火対策には「万全の備え」が必要です。島根県には出雲大社や神魂神社、松江城と言った「国宝」をはじめ「重要用文化財」「登録文化財」などに指定されている木造建築が数多くあり、高さや面積などの法令の規定に関わりなく、必要な対策を支援する官民基金の創設を提案したいと思います。