10月13日、超大型の台風19号(ハギビス)は東海・関東を直撃し、三陸沖を太平洋に抜けましたが、9月9日に関東地方に上陸した台風15号(ファクサイ)に続く観測史上最強クラスの台風襲来は、12都県に大雨特別警報が発表され、死者行方不明者は80人におよびました。今回の台風19号は勢力範囲が極めて大きく、台風の中心から700㎞近く離れた島根県が強風域となるほど本州全体に大きな影響がありましたが、神奈川県の箱根町では48時間の降雨量が年間降水量の3~4割に当たる1000ミリを超えるなど、長野県から岩手県に至る東海、関東、甲信越、東北地方を中心に激しい降雨により千曲川や阿武隈川と言った国が管理する大型河川から中小河川までの多くが氾濫し、土砂災害による孤立、家屋崩壊などが広範囲にわたり、大きな傷痕を残しました。気象庁は今回の台風について、中心気圧が低く、強い勢力を保持したまま上陸した理由を「通常は北西から乾いた空気が台風の水蒸気を奪い、本州に近づくと雲の密度が下がるが、今年は、日本近海の海水温が平年より1~2度高く、エネルギー源となる水蒸気を多く取り込んだため」と説明していますが、温暖化による海水温の上昇が台風の勢力や進路に大きな影響を及ぼすとなると、根本的な対応となるCO2対策が急務であることは論を俟たないところです。