一式飾は、寛政5年(1793)平田寺町の表具師である桔梗屋十兵衛が疫病平癒を祈願して茶器一式で大黒天像を作り、平田天満宮の神幸式に奉納したのが端緒とされ、現在は、陶器や自転車部品、茶器、仏具など一種類の生活道具を使って歴史上の人物や映画、テレビのワンカットなどを自由な発想で飾るもので、平田一式飾保存会(大島治会長)によって技術伝承され、出雲市の無形民俗文化財に指定されています。7月20日、今年も平田天満宮祭にあわせて行われた一式飾コンクールには10の町内会や団体が参加し、市街地の飾り宿に一式飾が展示され、保存会の技術部員や後援する平田商工会議所の役員など約30人が審査しました。その結果、5月のホーランエンヤをモチーフに陶器一式で制作された宮ノ町の「日本3大船神事ホーランエンヤ」が秀逸の特選に選ばれ、西町の「手習い天神」など3点が準特選とされました。なお、一式飾の飾り宿は、一畑電車の雲州平田駅から宇美神社までの沿道沿いに「平田一式飾」の幟が立てられており、平田天満宮の例祭が斎行されている7月22日まで鑑賞できます。