2月9日は旧暦1月5日で、出雲市大社町日御碕の宇龍港で「和布刈(めかり)神事」が執り行われました。日御碕神社の社伝によると、和布刈神事は、成務天皇の6年(紀元137年)正月5日の早朝、一羽のウミネコがワカメをくちばしに挿んで神社の欄干に掛けること3度に及んだので、社人がこれを神膳に供え奉ったことから始まったとあります。この日は強風警報の発令で、午後1時から予定されていた権現島にある熊野神社へ漁船を並べて関係者が海上を渡る「御渡海神事」は中止となり、1時30分からの祭典はJF宇龍支所で執り行われました。祭典前に日御碕神社宮司の手によって初刈された和布が神前に供され、漁師たちの神謡にあわせて赤い下帯姿の若者たちが厳寒の海を岸べりまで泳ぎました。関係者によると、和布刈神事の終了にあわせて島根半島地域のワカメ採取が解禁となり、特産の「板ワカメ」の生産が始まるということです。