9月3日、ブラジルのリオデジャネイロにあるブラジル国立博物館で大規模な火災が発生し、2000万点におよぶ貴重な所蔵品の大部分が焼失しました。この建物は、かつて王宮としても使われた横幅78m、奥行き108mの3階建の堂々たる体躯で、1818年に当時のポルトガル王ジョアン6世によって建設され、今年が開館200周年にあたるとのことですが、老朽化が進み、施設の改修のため、社会経済開発銀行(BNDES)と2170万 レアルのスポンサー契約を結んだ矢先の厄災だったと報じられています。博物館の関係者は「200年守ってきた文化遺産が一晩で灰になり、調査、研究、知識の蓄積が失われた」と悔やみ、ブラジル政府は博物館復旧計画を立ち上げるとともに、国内全ての博物館の防火体制を調査するよう指示したとありますが、ことは何もブラジルだけのことではありません。私たちの周囲にある文化財や歴史資料のみならず家屋や社会基盤となるインフラを地震や豪雨、台風などの自然災害や火災、盗難などによって消失、棄損しないよう維持管理や防災、防火体制について、早急なる調査・点検を実施して、「備えを講ずる」必要があることを物語っています。