6月16日に東京・駒沢体育館で、10月にハンガリーのブダペストで行われる世界選手権の代表選考会を兼ねたレスリングの全日本選抜選手権の女子68キロ級で、2016年リオデジャネイロ五輪75キロ級代表で島根県出身の渡利璃穏選手(アイシンAW)が優勝し、左肩手術で休養中のリオ五輪王者、土性沙羅選手(東新住建)に代わって世界選手権の代表入りを決めたニュースは、日本中に感動をもって伝えられました。渡利選手は、リオ五輪後の2016年9月に悪性リンパ腫の一種である「ホジキンリンパ腫」と診断され、約1年間の抗がん剤や放射線による辛い治療を乗り越えて、昨年9月から練習を再開したとのことですが、病気の克服に加えて667日ぶりの勝利は「絶対に復活して五輪で勝つ」という強い気持ちと周囲のサポートがあったとのことで、ご家族や関係者の皆さんを含めて、大きな祝福を贈りたいと思います。奇跡的とも思える短期間での復活は「レスリングができることが喜びで、周りに感謝している」という言葉に、病気をしたからこその「日常の価値を知る境地」が見て取れるだけに、今後の渡利選手の活躍が楽しみで、大いに期待したいと思います。