私たちが神社に参拝した時、両手を打って音を鳴らす作法を「拍手(かしわで)を打つ」と言いますが、この作法は魏志倭人伝 の「見大人所敬、但搏手以當脆拝(大人の敬する所を見れば、ただ手を摶ち以て跪拝をなす)」が起源と言われ、古来から相手への敬意や武器を所持していないことを見せるための作法が神社や大相撲の礼儀作法として伝えられ、一般でも賛意や賞讃の意思表示とされるようになったと考えられます。ところで、44日、大相撲の春巡業舞鶴場所で、多々見良三舞鶴市長がくも膜下出血を発症して土俵上での挨拶中に倒れた際、看護資格を持つ女性が救命措置を行ったところ、行司が土俵から降りるよう場内アナウンスしたことが大きく報道されています。過去にも、日本相撲協会は本場所千秋楽の表彰式で、森山真弓官房長官の総理大臣杯や太田房江大阪府知事の知事杯の授与を「女人禁制の伝統」を理由に拒否した経緯があります。大相撲の土俵上で女性が相撲を取ることは到底考えられないとしても、八角理事長は今回の事案について「不適切」とコメントしており、取り組み以外の部分で女性が大相撲の土俵に上がるキッカケになるのではと注目しています。