3月31日、広島、島根県江津市と広島県三次市を結ぶ三江線が88年間の歴史に終止符を打ちました。三江線は昭和5年に三江北線として開業し、昭和50年に全線が開通しました。江の川沿いの自然豊かな景観が車窓から楽しめるとして鉄道ファンに人気の路線は、直線で60km足らずのところを108.1kmの迂回ルートとなるため、陰陽の都市間動線機能が弱く、沿線自治体では三江線活性化協議会等を設立して乗客増や魅力化アップを企図しましたが、1kmあたりの1日平均乗客数(輸送密度)は昭和62年が458人で、平成17年が107人、平成25年には44人まで落ち込み、28年9月にJR西日本が廃止を表明しました。廃止決定後からは乗客が急増し、沿線住民の皆さんがそれに応える様々な取り組みを始めたことを見るにつけ『三江線を地域資源として位置付け、活用する道はなかったのか』という思いはありますが、平成30年4月1日からは鉄道からバス輸送へ転換されることになります。今後、三江線の軌道や駅舎は、JRから沿線自治体等に譲渡されることになりようですが、可能であれば、江の川上流の雄大な自然景観を満喫できる方策を取り入れて、観光資源としての活用を図ってほしいものです。