昨年の通常国会も今年の通常国会も予算委員会での質疑は「森友・加計問題」に終始し、人口減少や朝鮮半島情勢、TPPをはじめとする通商問題など、本来、国政の場で議論されるべき課題が脇に追いやられているように感じます。昨日の参議院予算委員会の集中審議は「文書の書き換え」を解明するためとして行われましたが、質疑内容が1年前と何ら変わらず、ただ、時間が空費された印象しか残りませんでした。 行政の決裁文書の書き換えは、もとより論外で、厳しく糾弾し、関係者を厳しく処罰するのは当然で、野党は「議論したくてもその環境が整わない」として議論を拒否するのではなく、政治姿勢や不透明な行政手続きを調査する特別委員会を設置して、徹底追及すべきだと思います。衆議院は平成30年度予算を2月28日に議決し、憲法の規定で、参議院の議論がどうであれ30日後に100兆円近い予算が成立します。時間に制約があるからこそ、地域、職能代表からなる参議院には専門的知見からの議論を期待するのであり、衆議院とは異なる国会運営を求めます。マスコミの関心は安倍内閣の支持率低下によって、急速に「政局」に移ったように見えますが、年末年始の大相撲報道と同様に、ニュース、ワイドショーともに「朝から晩まで森友一色」の配信には、明らかに報道の変質とレベルの低下を感じるところで、受ける側にものごとの表裏を見極める目が必要になったと感じます。