3月18日は「彼岸の入り」ですが、春秋の1週間を「彼岸」として、祖先に感謝し、家族の長久を願い、仏前や墓前に詣でる日本の習俗は素晴らしい伝統だと思います。彼岸の入りから4日後の21日は二四節気の「春分」です。『暦便覧』に 「日天の中を行て昼夜等分の時也」とあるように、昼夜の長さがほぼ同じとなり、冬眠をしていた動物たちが動き始め、生命の息吹を実感する時期となりました。ところで、気象庁は、昨日、東京(靖国神社)で桜の開花を発表しました。桜の開花はソメイヨシノの基準木に5輪の花が観測されると宣せられますが、今年は各地で例年よりも1週間程度早い開花が伝えられており、1週間から10日後の今月下旬は満開の桜を愛でる春爛漫の時期を迎えます。一方で、今年は降雪が多かったせいもあって、山陰沖は海水温が低く、例年よりも12週間、魚の回遊が遅れており、半島地域の風物詩で、冬のウップルイノリに続いて収穫される初春のカシカメ(ハバノリ)の生育が極端に少ないと聞き、我が家の食卓に欠かせないものだけに、少し残念に思います。この時期は、卒業式や職場の歓送迎会に象徴される「社会の新陳代謝」となる年度変わりですが、寒暖の差が大きく、花粉の飛散も多いことから、体調管理に十分な注意をして、「有終の美」と「スタートダッシュ」を心がけたいものです。