1月3日、雨模様の中、出雲大社では「吉兆さん」と呼ばれる正月行事が盛大に行われました。「吉兆さん」は、周囲に金色の龍、中央に「歳徳神」と金糸で大きく縫い取りされた高さ10m、巾1mの吉兆幡と呼ばれる金襴幟旗を、先端に金色に輝く剣と太陽と月を描いた扇をつけた長さ20mの丸柱にくくりつけ、講中となる町内(現在13講中が残る)が総出で担ぎ、笛鼕のしゃぎり囃子とともに出雲大社の神前にお参りし、本殿前に柱を立てて「神謡」を謳い、新年の幸せと御代の萬歳を祈る江戸時代から続く大社の伝統行事です。参拝後には参道を福を撒きながら、自町内まで練り歩きますが、「吉兆さん」の露払いとして先導役を務めるのが、年男が神楽衣装を着け鬼面を被った「番内さん」呼ばれる厄払い役です。孟宗の割竹で地面をたたき、『悪魔払い』『悪魔払い』と大きな声で叫びながら町を駆け廻る風景はこの行事に欠かせない風物です。朝から1日中、神域にこだます「神謡」に出雲大社と一体となって暮らす門前町の歴史を実感しました。  


「大社神謡」

 目出度 エーノーエ それ若枝も エー栄える ノーエー 葉も エー  八雲立つ 山は鶴山亀山の 間を流るる 吉野川 エー 素鵞川の  

流れのその水を 神酒に造りし諸白を エー 神明に捧げ奉り

 それを人々戴けば エー 齢を延ばす ためしかや お祝