8月6日、ロンドンで開催されている陸上の世界選手権第2日の男子100m決勝で、史上最強のスプリンターと称される世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)はラストランを9.95秒で走り3着となりました。勝ったのは9.92秒のジャスティン・ガトリン(アメリカ)で、2005年以来12年ぶりの金メダル、2着は9.94秒の今季世界ランク1位のクリスチャン・コールマン(アメリカ)でした。日本勢は代表3人がともに準決勝に進んだものの予選のタイムを上回ることができず、ファイナリストに名を連ねることはできませんでした。ボルト、ガトリンともに10年以上にわたって世界トップの位置にあることは、抜群の実力と弛まぬ鍛錬のなせる業の結果であることは言うまでもありませんが、日本人選手がなかなか期待通りの成績を収めることができないのは、「過期待」と「誤期待」があると思います。期待通りの成績が取れなかった時、しばしば「本来の力を発揮できなかった」と形容されますが、「本来の力」とは極度の緊張や厳しい条件下でも発揮できる力であり、最高の条件下でのものとは異なります。江戸時代の剣術書「剣談」に「勝ちに不思議の勝ちあれど、負けに不思議の負けなし」とありますが、世界トップとの「力の差」は依然として大きいことを再認識させられた100mのレースでした。