「特区」はある特定の地域に限り、中央官庁や業界団体の抵抗が強い規制を緩和したり排除することによって地域活性を促進しようというもので、小泉政権で「構造改革特区」として始まり、民主党政権下で「総合特区」が追加されました。安倍政権では、日本経済停滞の一因である霞が関や業界の『岩盤規制』を突破するため、「国家戦略特区」を追加して地域に新たな活性化、イノベーション拠点を創り出すとしており、地方創生と連動して全国で様々な取り組みが行われています。愛媛県今治市が地域活性化の手段として大学の誘致を政策課題に掲げ、過去、十数回にわたって獣医学部の創設を文部科学省に申請しても受理されなかった案件が、特区制度を活用して実現に至ったのは、まさに内閣の方針に合致するものです。国会で加計学園の獣医学部新設が「総理の働きかけ」とばかりの一連の議論や文部科学省の元高官の会見内容は、「従来ルール」の正当化ですが、特区は政権が掲げる看板政策であり、日本人の多くは認定された時点で官僚が「内閣の強い意向」を忖度することは当然のことと受け止めているはずです。国会で今治市が誘致した大学の理事長が時の総理大臣と友人だったということをことさらに問題視しても、韓国とは違って生産的な議論に発展することはなく、野党の皆さんにはTVや新聞報道の露出の多寡と国民の支持は必ずしも比例しないという意識が必要だと思います。