大相撲初場所は田子ノ浦部屋の大関稀勢の里が初優勝を果たし、横綱昇進が確実と報道されています。過去、何度も優勝のチャンスを逸してきた稀勢の里ですが、相撲に対して真摯に向き合い、努力する姿勢に多くの人が惹きつけられ、大きな声援となってきたように感じます。稀勢の里をして「愚直」と形容した評価がありますが、「努力は天才を超える」との先代師匠(元横綱隆の里)の遺訓を激しい稽古で実践した証しが、昨年の年間最多勝であり、今回の天皇賜杯につながったもので、スマートではありませんが、しかし「愚直」ではなく、「実直」と評する方が正しいのではと思います。「優勝に浮かれていられない。稽古に精進してもっともっと強くならないと、(先代への)本当の恩返しにならない。」とのコメントに目頭を熱くしたファンは多く、「千秋楽で白鵬関の厳しい攻めを残せたのは、今までの人生には無く、自分の力ではないような気がするが、もう1度優勝できるように頑張る。」の言葉が、今までと違って空疎に聞こえないところに、壁を乗り越え別次元の域に達した人(達人)だけが発する『漲る自信』を見ました。ネット上の意見は「昇進は時期尚早」としますが、小生は匍匐前進を続ける稀勢の里の横綱昇進を是としたいと思います。