還暦を過ぎ、「朝には紅顔あって夕べには白骨となれる身なり」ということを常に意識し、残りの時間を考えた行動を心がけることとなりました。ただ、小生は、まだまだ「老成」には程遠く、己の言動を省みて反省することが多い日々ですが、「吾れ日に三省す」とあるように、『省』の字には、「真に必要な事柄を見究める」、「ものごとの本質を意識して行動する」という意がありますから、常に「省く」を意識したいと思います.。ところで、新年の初夢と言えば、縁起の良い夢は『一富士、二鷹、三茄子』の3つとされていますが、本来は、この続きがあり、『四扇、五煙草、六座頭』の6つだそうです。富士は「不老長寿」、鷹は「強きもの」、茄子は「成就」の象徴とする受け止め方が一般的ですが、扇には「末広」、煙草は「上昇」、座頭は「息災」の意があるようです。近年、煙草の『けむり』は、受動喫煙の健康被害のイメージが強く、悪玉の象徴のような扱いを受けており、愛煙家には肩身の狭い日々となっていますが、かつては上昇運の象徴とされていたようです。座頭は剃髪する例が多かったようで、「毛がない(怪我無い)」。時代とともに変化するものが多い日本の習俗ですが、縁起の良しあしの「変革」までは御免蒙りたいもので、良き伝統はきちんと残して行きたいものです。