JR西日本米子支社の松岡俊宏支社長は、島根県江津市と広島県三次市を結ぶ三江線(全線延長108・1㎞)について利用者数の低迷を理由に今月末までに国土交通省中国運輸局に廃止届を提出することを沿線6市町の「三江線改良利用促進期成同盟会」の臨時総会で表明しました。三江線の廃止については昨年の10月にJRの意向が表面化して以降、沿線6市町を中心に第3セクターや上下分離方式による鉄道運行の存続やバス代替などが検討されてきましたが、JR西日本は「三江線の鉄道事業はどのような形態でも行わない」としており、1年後の廃止が確実となりました。三江線の利用者数は近年、開通時の10分の1まで減少しており、輸送密度はJRの運行中の路線で全国最下位となっています。今後は廃止後の代替交通手段の確保の観点からバス輸送への移行が検討されますが、当分の間はJR西日本が運営に関与するとしても、沿線の高齢化と人口減少の状況を鑑みれば採算を維持することは難しく、JRによるバス路線維持は時限的と考えられます。島根県は広島県と連携して当該地域の公共交通のあり方に対する基本方針をまとめ、通勤・通学はもとより地域の生活の足を確保するための方策を示す必要があります。