リオデジャネイロオリンピックでの日本の獲得メダル数は前回のロンドン大会で獲得した38個を上回る勢いを見せている。日本は52年前の東京大会で金16個を含む29個のメダルを獲得し、メキシコ、ミュンヘン、ロサンゼルスまでの各大会では同様の成績を収めたが、1988年のソウル大会で14個(金4)、バルセロナ22(3)、アトランタ14(3)、シドニー18(5)と低迷した。2000年9月、文部省は「スポーツ振興基本計画」を立案し、日本のトップレベル競技者用トレーニング施設となるナショナルトレーニングセンター (NTC)を設置して競技者の国際競技力の総合的な向上を図る方針を示した。JOC(日本オリンピック委員会)が運用する北京大会の前に開所した「味の素トレセン」と呼ばれるNTCは、国立スポーツ科学センターに隣接し、競技別の専用練習場である「屋内トレーニングセンター」、「陸上トレーニング場」、「屋内テニスコート」及び宿泊施設の「アスリート・ヴィレッジ」から構成され、競技者が同一拠点において集中的・継続的に強化活動を行うことが可能で、ジュニア競技者の育成など長期的な強化事業にも活用されている。国が積極的にトップアスリートの養成を掲げて以降のメダル獲得数は、アテネ37(16)、北京25(9)、ロンドン38(7)と推移し、息の長い地道な強化が結実していることを伺わせる。さて、少子高齢化が進行する島根県。国体順位は42~46位で、昭和57年の島根国体から34年が経過し平成40年前後に2度目の開催地となる可能性が高いが、県内スポーツ愛好者の競技力向上に向けた取り組みは緩く、4年後の東京五輪に日本代表として参加できるレベルの選手育成は現段階では見通しは暗い。ナショナルトレーニングセンターとは言わないが、せめて県立施設で強化が実践できる体制整備がほしい。