5月1日は立春から数えて88日目の「八十八夜」。『夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る』と歌われるように新緑萌出ずる季節を迎え、田畑では種まきや苗の植付けに忙しい農繁期到来です。八十八夜と言えば「お茶」。茶どころでは新茶の摘み取りの時期となりました。日本のお茶は遣唐使の時代に中国から伝わったと聞きますから、約1200年以上の歴史があります。ただ、鎌倉時代に臨済宗の始祖である栄西禅師が著した「茶は養生の仙薬なり」で始まる「喫茶養生記」にあるように、主として薬用に用いられ、千利休などによって茶道が確立された後も極めて高価で、庶民一般がお茶を飲めるようになったのは大正時代からだと言われています。また、「八十八」という字を組み合わせると「米」という字になることから、農家ではこの時期に豊作の吉凶占いを行う風習があちこちで見られます。さて、5月5日は二十四節気の立夏。季節はいつの間にか春から夏へ移行しつつありますが、時間の経過速度がどんどんスピードアップしているように感じるのは、小生が年をとったせいなのでしょうか。