「日本死ね」のブログ炎上で待機児童問題が国会で取り上げられ、マスコミの後押しもあって社会問題となりました。与野党ともに待機児の解消には保育士確保が必要として、給与改善を掲げています。確かに、待遇改善は歓迎すべきことでしょうけれども、人材不足は医療や介護現場も同じで、短兵急に給与を引き上げしても人材を確保することは至難です。ここ数年、待機児童解消のために大都市部を中心に相当な認可保育所が新設されてきましたが、待機児は増えるこそすれ、一向に減少していませんが、その要因は、国の子ども・子育て政策の転換によって保育所の入所基準が緩和されたことにあります。当初、政策転換の主眼は「子どもの育ちを支援する」ということにおかれ、親の就労支援施設の性格が強い保育所と幼児教育施設である幼稚園を一体化させ、保護者の就労に関わりなく、子どもの年齢に応じた育ちの支援を実施するとするものでした。ところが、霞ヶ関の既得権益争い(厚生労働省と文部科学省)と政権交代のドタバタによって『子ども・子育て政策の転換』はダッチロールし、制度がほとんど変わらない中で保育所の入所基準だけが緩和され、少子化による就労人口の不足を女性の活躍で補うとする政府方針もあって、本来、幼稚園に入園する子どもたちまで保育時間の長い保育所に流れているのが実態です。保育所は平成22年の保育指針改定によって親の就労支援施設から子どもの育ちを支援する施設に変貌しており、保育士に求められるスキルが飛躍的に高くなったことによるストレスが、短期間での離職につながっている面は否定できず、施設の増設や給与の改定で待機児童の解消ができるとは思えないのですが・・・。