1月30日、カタールのドーハで行われていたサッカー男子のリオデジャネイロ五輪最終予選を兼ねたU-23アジア選手権の決勝で、日本は韓国と対戦し3-2で逆転勝利を挙げ、国際レスリング連盟(FILA)が『第2の世界選手権』と位置づけて本年から開始する『FILA Golden Grand Prix』の初戦となる「ヤリギン国際大会」がロシアのクラスノヤルスクで行われ、04年アテネ五輪から12年ロンドン五輪まで63㎏級で3連覇し、世界選手権は10連覇するなど、リオ五輪で4連覇が確実とされている伊調馨がモンゴルの新鋭プレブドルジにテクニカルフォール負けを喫したと対照的なビッグニュースが流れました。サッカーの日韓代表戦は日本の13勝28敗23分(U-23は4勝7敗4分)と圧倒的に負け越しており、今回も「分が悪い」と見られていましたが、手倉森監督が周到に準備した「終盤勝負のゲームメイク」が功奏したものと考えられ、一方で、女子レスリング界で吉田沙保里とともに絶対女王と称される伊調選手の敗戦は、この2年間、25戦無失点中にもかかわらず、試合前に自らが「間合いや詰め方に課題がある」と明かした通りの結果となりました。江戸時代に平戸藩主であった松浦静山が著した「剣談」のなかに「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とあり、「道背けば必ず負ける」と説いています。『道』の解釈は様々ですが、勝負の綾は「培った戦術が迷いなく出し切れるか」という点にあると見ました。