韓国の世宗大学日本文学科教授の朴裕河(パク・ユハ)教授が、「学問の自由を逸脱した」として在宅起訴された。朴教授は「帝国の慰安婦」を執筆し、慰安婦問題が単に旧日本軍のみならず、韓国や米国を含め、どこの国の軍隊であれ慰安所施設が存在した事実を、「帝国主義がもたらした大罪」と結論付けたものである。韓国は、自国や米国で慰安婦碑の設置など、徹底した日本非難を繰り返しているが、直近の明治期の産業遺産に対する世界遺産登録のクレームや国交回復時の経済支援に対する評価を矮小化する姿勢は、日本人にとって極めて不快なものである。加えて、丹念な調査や史実に基づく学術研究を国家の都合で禁書に指定したり、著者を名誉棄損で起訴する例が相次ぎ、日本人ジャーナリストの加藤達也産経新聞ソウル支局長が拘束され、名誉棄損で告訴されるに至っては、もはや「日本と価値観を同じにする一衣帯水の友邦」などという評価があてはまる国であるのか、甚だ疑問とするところである。北朝鮮という不安定で危険な隣国と強大化する中国の脅威という極めて難しい国際情勢下にあるとは言え、日本は韓国に対する立ち位置について再考する時期だと感じるニュースである。