東京都目白台にある永青文庫は1950年に「美術の殿様」と言われた細川家第16代当主細川護立によって設立された美術館で、収蔵品は細川家に伝わる甲冑、茶道具、書画、古文書類をはじめ護立によって蒐集された陶磁器、仏像、禅林墨跡、近代日本絵画、刀剣まで幅広く、国宝、重要文化財に指定されているものも数多く含まれており、ふだんは細川家ゆかりの名品が鑑賞できる「知る人ぞ知る」施設です。その永青文庫で日本で初めての「春画展」が特別展として開催されていると聞き、上京の折に行ってみました。今回の作品群は、大英博物館をはじめ内外の春画収集家か秘蔵する鈴木春信や英一蝶、喜多川歌麿、葛飾北斎など名だたる大家の描いた春画の逸品130点余で、閑静な住宅街の木立の中に立地する小さな美術館には、9月19日から11月1日までの前期展と11月3日から12月23日までの後期展ともに、毎日のように入場制限が行われるほどの老若男女の参観者で盛況を呈しているとのことでした。小生が到着した火曜日の午前11時30分過ぎは1階から4階までの展示ホールはどこも満杯で、立ち止まってゆっくり観覧できる暇もなく、45分ほどで会場の外に押し出されてしまいました。