小説家の宇江佐真理さんが11月7日に乳がんのため逝去したと報道されました。宇江佐さんは、人気シリーズの「髪結い伊三次捕物余話」や「泣きの銀次」「お針子おとせ吉原春秋」「なでしこ御用帖帖」「ほらふき茂平」「古手屋喜十為事覚え」「代書屋五郎太参る」など、江戸を舞台に市井に生きる男女を実に生き生きと描写した小説に仕上げた作家でした。宇江佐さんの経歴を読むと1949年函館に生まれ、函館大谷女子短期大学を卒業とあり、会社勤め、結婚、出産を経て33~34歳のころ作家に転じ、TVのインタビューで「家事をしながら、昼間の空いている時間を執筆に充てました。子どもが小さい頃、遊んでほしくて『お母さん、宿題やめて』と言われたこともあります。」と語っていました。小生は、公務で飛行機や鉄道に乗る際に買い求める文庫本のほとんどが宇江佐作品で、ほのぼのとした夫婦の会話や同心と岡っ引きのやりとりにふれることが楽しみでした。先般、文春に乳がんの闘病記が掲載され、心配はしていましたが、「おきゃあがれ」に代表される江戸期の江戸風俗を伝える小説家の早世は残念で、心からご冥福をお祈りいたします。合掌。