7月24日、参議院は「鳥取・島根」「徳島・高知」の選挙区を合区して定数を4削減し、宮城、新潟、長野の各選挙区の定数を2削減する10減、北海道、東京、愛知、兵庫、福岡の各選挙区の定数を2増加する10増を内容とする公職選挙法改正案を賛成多数で可決しました。従来、参議院選挙区選挙については、議員の半数改選性や議員の事実上の都道府県代表的機能を考慮し、憲法14条1項、44条但書、15条1項、3項に規定する平等選挙の保障(投票価値の平等)に関する要請は、衆議院選挙の場合に比べて後退すると考えられており、学説は1対2であっても、判例は衆議院は1対3、参議院は1対6で違憲とした経緯がありました。しかし、最高裁が5.00倍の2010年と4.77倍の2013年の参議院選挙をともに「違憲状態」としたことから、与野党で選挙制度に関する協議が続けられてきました。
 自民党では「合区は違憲状態回避するための暫定的措置」としていますが、今後、投票価値の平等をより重視すれば、ただでさえ、衆議院よりも選挙区選出議員数が少ない上に半数改選でさらに半分になる参議院は都道府県を単位とする選挙制度を維持することは極めて困難となり、都道府県代表の性格のある選挙区選挙と職能的代表を選出する立場から全国区選挙を採用し、解散をせずに半数ずつ改選するといった参議院の存在意義から生じるやむを得ない事情は考慮されないこととなります。
 今回の合区を含む定数増減を内容とする公選法改正は「院の在り方や役割」といった基本理念よりも「違憲回避」の技術論から生じた性格が強く、二院制の否定につながる端緒となりかねないものです。憲法を不磨の大典として不合理な選挙制度をつくるよりも、国会議員各位には、憲法の不合理性を是正する努力を願いたいと思います。