宍道湖の北岸を走る一畑電車は大正初年の創業から100年を超える歴史がありますが、昭和40年代に600万人を超えていた年間の利用客は、現在140万人程度まで減少し、電車や軌道、電路等の施設は島根県と松江市、出雲市が整備し、運転管理を一畑電車㈱が受け持ちするいわゆる「上下分離」方式によって運行されています。7月21日、松江市内のホテルで一畑電車沿線地域対策協議会(会長;鴨木朗島根県地域振興部長)の平成27年度総会が開催され、老朽車両の更新や電車の運行基盤設備の整備、線路や信号など安全輸送に関わる設備の整備などにかかる国、県、沿線自治体からの支援額449,744千円と利用促進にかかる県と沿線自治体の支援額47,000千円の支出が決まりました。松江市の松浦正敬市長は「沿対協は行政支援の効果についての検証を実施し、報告・公表するとともに事業者は英語表記や駅へのWiFi整備、自然や生活などのPR等、外国人観光客に対する対応をすべきだ」とし、出雲市の長岡秀人市長は「マイレージ制の導入や沿線事業所との連携によって通勤定期の販売拡大を考えるとともに、出雲空港乗降客の電車利用促進を検討しては」と述べました。一畑グループの大谷厚郎会長は「出雲大社の遷宮効果による定期外利用客は堅調で、女性運転手の採用やイベント対応の拡大など、行政の手厚い支援に応えられるよう事業者としての経営努力を尽くしたい」と挨拶し、昌子社長はWiFiについて、「7月中に松江しんじ湖温泉、雲州平田、出雲大社前、電鉄出雲市の主要4駅に整備する方針」と報告しました。