本格的な夏を予感させるごとく、7月11日の出雲の最高気温が34℃まで上昇するなど、熱中症の予防が必要な時期になりました。熱中症は暑い環境の中で体温調節機能がうまく働かず、体温が異常に上昇する誰にでも起こり得る病気で、重症になると脳に後遺症が残ったり、死に至ることもあります。熱中症予防にはスポーツドリンクを2~3倍に薄めたものが有効とされていますが、意外と知られていないものがみそ汁と牛乳です。

 大豆を塩漬けにして発酵させた食品である味噌には、大豆イソフラボンや抗酸化力が高いリノール酸、オレイン酸が豊富に含まれています。これらの有効成分が糀(こうじ)の働きによって体内に吸収されやすい形に組成され、でんぷん質もすぐにエネルギーに転化されるブドウ糖に変化しています。さらに、味噌には大量のナトリウムイオンが含まれていて、味噌汁にすることで水分と効率よくナトリウムイオンを摂取することが可能です。体内の水分量が不足しがちな朝と、活動するお昼に、脱水や電解質不足を防ぐのに味噌汁は最適な献立で、日本古来の先人の智恵でしょうか。

 牛乳には、アルブミンというたんぱく質が含まれており、血管内に水分を引き込んで、血液を増やす作用があり、体温を調節しやすくなるのです。なお、牛乳を飲むタイミングは、運動の直後が効果的だと言われていますから、外出から帰った折のコップ一杯の牛乳が熱中症予防に有効です。