隠岐諸島の魅力は、世界ジオパークに登録されたごとく、太古からの自然が作り出した雄大な海岸の景観美とふんだんに採れる新鮮な魚介類が堪能できることにあるのだが、いずれも生かされていない。島の観光関係者は低迷の因に航路や航空路の問題をあげるが、受け入れる側に最終目的地たり得るだけの準備がされておらず、魚釣り客以外のリピート率は極めて低いものになっている。今年もゴールデンウィークを迎え、本格的な観光シーズンに突入する。尾道松江線の全線開通もあって島根県東部の入り込みは前年を上回っており、山陽筋からの移動時間・距離からすると、隠岐は日帰り、一泊の商品メニューの造成がアクセス次第で十分可能で、大山・中海・宍道湖圏域の観光商品は飛躍的に拡大する。昨日、隠岐空港の利用促進を話し合う会合があったと報道され、東京からの直行便就航を目指すとの意向が示されたとあるが、過疎、高齢化で定住人口が大きく減少する活力の低下を交流人口の増、とりわけ、観光振興で補おうとするのであれば、まず、足許の阻害要因を払拭しなければならない。仄聞するところでは、海士町でお客様に提供する食の再見が始まったとのこと。大いに期待したい。