巨木と楠本宗平コレクションで知られる出雲市の今岡美術館で、11月9日、開館10周年の記念セレモニーが行われました。今岡美術館は平成16年に今岡工業㈱の総帥であった故今岡嘉久三さんが、自らが収集した美術コレクションを公開し、地域文化の振興に貢献したいとして開設したもので、収蔵品は横山大観、平山郁夫など有名作家の作品から郷土を愛した作家たちの作品まで、絵画、工芸品など多岐にわたります。12月18日まで開館10周年記念として企画された「楠本宗平展」は今岡さんが絵画収集のきっかけとなった作家である楠本画伯の作品がならび、記念展にふさわしい内容となっています。レセプションで挨拶した今岡余一良理事長は「父が社会貢献したいとして開設した美術館も地域の皆さんのご支援で10周年。父も美術館開設を勧めた竹下元首相も鬼籍に入ったが、美術館正面に掲げている宮永岳彦さんの絵こそ、竹下首相在職中、先生が総理官邸に持ち込まれたほどの愛蔵品で、『美術館を開設した折に掲げよ』と寄託されたもの」とエピソードを語りました。