「たけしのTVタックル」でおなじみの木村盛世さんは、厚生労働省の医務技官を辞め、現在、医療法人財団綜友会で医学研究所長を務める感染症疫学の専門家ですが、「わが国で行われている学校や企業の健康診断のメガデータが学校や企業のパフォーマンスに生かされていないことは学術的にも社会的にも大きな損失」と指摘し、自らが学校健診のデータ分析と食育アンケートを行った結果、「健康問題に積極的に取り組んでいる学校は、教育面でも高い評価を得ている傾向がある」との結果を公表しました。さらに、10月2日付の週刊ダイヤモンド別冊で、綜友会で健康診断を行っている都内の私立高校62校のデータ分析で、「過体重率(肥満度+10以上が全体で示す比率)と偏差値の間には中程度の逆相関が見られ、学力が高いほど肥満の度合いは低いという結果がある」とし、齲歯(虫歯)の治療状況と学力との相関では、「学力が高いほど虫歯になっても治療している率が高い」という結果が得られたと述べています。木村さんは「定期健康診断で得られるデータは、その時代の子どもの健康状態をはっきり示している。過体重(肥満)や齲歯の治療状況、矯正視力、花粉症や食物のアレルギー、鬱や多動性障害など精神性の疾患といった膨大なデータが未解析のまま眠っており、総括的な健康指標を得て、子供の豊かな未来を実現する方策に活かすべき」と指摘しています。