出雲市の布勢灘海岸で昭和53年9月に開業した喫茶店「マロニエ」では、牛乳と生クリームを4:1で混ぜ合わせたものにバニラエッセンスで香りづけをし、ステンレス製のミルクピッチャーに入れてコーヒーや紅茶用のミルクとしてお客様に提供していました。近年、ほとんどのコーヒーショップで出される「コーヒーフレッシュ」は原料に牛乳成分を使わない植物性の油脂ですが、いつの間にかコーヒーミルクはまぼろしになりました。「コーヒーフレッシュ」は、植物油に水と「乳化剤」(グリセリン脂肪酸エステル=界面活性剤)を混ぜたものに、「増粘多糖類」でとろみを、「カラメル色素」でクリーム色に、「香料」でクリームの香りを、常温保存のために「pH調整剤」を加えて作っていると「食品の裏側」(安部司著)で紹介されています。島根県は、現在、「地産地消推進計画」を策定中ですが、都会の便利で豊かな生活のなかで失いつつある「本物の価値」が残っていることに田舎の強みを感じます。安倍内閣が掲げる「地方創世」のキーワードはそうしたところにあり、「手間暇を惜しむな」という36年前の開業時に与えられた父の戒めを思い起こします。