出雲市教育委員会は、出雲市立斐川学校給食センターで調理された給食に4月から4回にわたって異物混入があった事実に対し「給食の安全性が図れない」として、6月30日から施設の運用を停止すると発表した。同センターで調理した給食では、今年4月30日に西野小学校で野菜切裁機のふたの取り付け部分のステンレス製ナット、6月13日に斐川東中学校で食器食缶乾燥消毒保管庫のアルミ製リベット、6月25日に中部小学校で長さ4・2センチの銅線(混入経緯不明)そして6月30日に中部小学校で長さ2・3センチのプッシュピン(混入経緯不明)と立て続けに異物の混入が発生した。学校給食のような届出制の大規模調理施設は各保健所が監督・指導にあたるが、所管する島根県薬事衛生課は「わずかの間に異物の混入が続出することは極めて異例で、明らかに安全管理の徹底が不十分。施設の使用禁止も含め、厳しく対処する」としている。ところで、出雲市教育委員会は今回のプッシュピンの混入について警察に被害届を提出するとしたが、果たしてそれで給食の信頼回復が果たせるだろうか。こうした事案が続き、給食関係者とりわけ当事者となるセンターの職員には極めて大きなストレスがあると思うが、食材の検収、下処理、調理、運搬、配膳まで、関係者が監視の目を光らせていれば、給食に外部からの侵入を許すなどあろうはずはない。むしろ、捜査機関に原因究明を依頼せざるを得ないところに当事者の安全管理に対する意識の甘さが見えるのであり、肝心要のところが見落とされているのではないだろうか。