文部科学省は幼稚園や保育所などの最終学年を無償化し、義務教育とする方向で最終調整に入ったと報道されている。幼保の枠組みを維持したまま、小学校入学前の1年間を義務教育化し、基礎学力を早期に身につけさせて小学校生活にスムーズに移行できるように改革するねらいとし、政府の教育再生実行会議が7月にもまとめる学制改革の提言に盛り込むとある。文科省は5歳児から義務教育化することで、幼保の施設ごとにバラバラだった教育内容を一定化させ、質を向上させたいとしているが、幼稚園の指導要領と保育所の保育指針を並立させたため、こども園の性格が曖昧になり、結果として子ども子育て支援制度が漂流した轍を踏むことがないように願いたい。
また、調査可能な世界186ヵ国中162ヵ国が18歳を成人年齢としているが、わが国も従来20才としてきた成人年齢を、憲法改正のための国民投票法に投票年齢が「18歳以上」と定められたことをきっかけに、民法で定める成人年齢などを18才に引き下げることが検討されている。国民のほとんどが高等教育を受ける一方で、社会年齢の幼稚化や犯罪の低年齢化を懸念する声もある。成人年齢を引き下げて若者に社会的責任を自覚させるべきという意見はもっともだが、「権利」と「義務」に対する意識の啓発や社会教育の徹底がなければ「無責任な大人」の増大を招くことは必定である。
拙速な制度改正や法律改正によって、現状が『より悪くなる』ことだけは御免被りたいもので、ものごとの本質を見極めた上で、50年、100年の間通用するような改革に取り組んでもらいたい。