今年のゴールデンウイーク(4月26日から5月6日までの11日間)の山陰両県の観光入込客数が速報され、昨年よりも若干減少したものの、平年と比較すると、依然「大遷宮効果は継続している」とのことです。今年は前半の休日が飛び石となり、天候もイマイチであったことから各地の観光地で客足が伸びず心配されたものの、後半の4連休はどことも昨年並みの賑わいを取り戻したと報道されています。

 ところで、鳥取や隠岐の海岸が世界ジオパークに登録されましたが、「白砂青松」と形容された山陰地方の海岸の松は枯れ、浜は夥しい漂着ゴミで埋まり、かつての美しい景観が失われつつあります。東京からやってきた人は「遠目に美しく見えた海岸のあまりの酷い状況に驚いた。東京では考えられない。隅田川にはゴミの一つも浮いていないのに。」との言葉に衝撃を受けました。

 観光立県を宣して7年。確かに島根県の観光予算は倍増し、観光入込客数も増加しました。しかし、訪れた人に満足感、充足感を与えるための「観光インフラ」はハード、ソフトともに不備・不足は顕らかで、「大遷宮効果」を一過性に終わらせないためにも、もう一度、足許を見つめ直す必要があると感じます。