今日は「憲法記念日」。 第二次世界大戦後にGHQの強い影響の下で日本国憲法が1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されたことを記念して制定された祝日です。

 憲法は、国家権力の組織や権限、統治の規範となる基本原理・原則を定めた最高規範で、ほとんどの国では時代に対応して憲法の改正が行われていますが、日本国憲法は普通の法律より改正手順をより厳しくしている典型的な硬性憲法で「不磨の大典」とも言われます。

 「不磨の大典」とは「すり減らないほど立派な基本法律」という意味ですが、大日本帝国憲法では第73条、日本国憲法では第96条に、それぞれ改正の規定があっても、一度も改正が提案されたことはなく、日本では「憲法は守るもの」「憲法は改正されない」という意識が定着してしまったのかもしれません。

 ところで、憲法改正を論じる際に、必ずと言っていいほど第9条が俎上にあげられます。確かに国家の安全保障にかかわる基本原則を曖昧にしたままで良いとは思えませんが、半世紀以上も前の国際情勢や社会、経済状況を前提にした統治機構や国会のあり方、両院議員の選挙の方法、環境や地方自治などは改正を迫られています。

 例えば、国会議員の選挙について違憲判決が相次ぐのは、衆議院、参議院の役割や選挙の方法を憲法に規定していないために生ずる不合理性であり、憲法を不磨の大典とする意識を改め、見直しに向けた議論を進めることがいま求められていると思います。