女子ジャンプで今期のW杯で抜群の成績を残している高梨沙羅選手がソチ五輪で4位入賞を果たしたが、着地のテレマークが取れずに飛型点で減点され表彰台には上がることができなかった。「失敗」「期待はずれ」との報道に、17才の少女に「いままで努力された先輩や応援してくださった人のために」というコメントを繰り返させ、結果として、日に日に「金メダル」の重圧を負わせてしまったマスコミの無慈悲を感じる。公式練習後の高梨選手の表情は青ざめて硬く、日頃のにこやかさが消えていた。試合後のインタビューで「本来のジャンプが出来なかったので、すごく残念」と話す高梨選手だが、過去の五輪で幾たびも「メダル確実」と言われながら、「本来の力」を出し切れずに泣いた選手の姿を見るにつけ、大舞台で「普段通り」にすることの難しさを痛感する。が、しかし、五輪の4位入賞に何をうつむくことがあろう。7位入賞の山田優梨菜選手とともに胸を張って帰国してもらいたい。そして、田村亮子選手や原田雅彦選手などがそうであったように、もう一度頑張って、次回の五輪で、文句のない大ジャンプをして、輝いてほしいと願っている。