沖縄県の仲井真弘多知事は12月27日、米軍普天間飛行場の移設に向けた名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認することを表明した。日米両政府による普天間の返還合意から17年が経過したが、ここ5年間、全く進展はない。知事は「県外ということも辺野古が困難という考えも変わっていない」としながらも、市街地にある普天間基地の移設を優先させる現実的な方途を政治決断したもので、鳩山首相による「最低でも県外」の発言によって迷走・停止した問題は、安倍首相が知事の決断環境を整えたことで大きく解決に向かって動き出したように見える。ヘーゲル米国防長官も「知事の決断を歓迎する」とする声明を発表した。中国の東シナ海や太平洋への軍事プレゼンスを考えると沖縄が持つ地勢的な役割は大きい。しかし、日本にある米軍基地の約75%が沖縄に集中し、県下53市町村のうち25市町村に米軍基地があり、沖縄本島の約5分の1を占める基地負担の軽減は国民全体で考えるべき問題である。基地を迷惑施設のように言い、命の危険を負いながら国防や領海警備の任にあたる自衛隊員や海上保安官への感謝を忘れた国民に明日はない。仲井真知事の苦渋の決断に対し、国民一人一人が沖縄のために自分に何が出来るかを考える機会にしたいものである。