ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、原因不明の難病とされている全身の筋肉が次第に麻痺していく病気です。12月21日、出雲市立平田文化館で、24年間、病床の奥様の介護を続けられた大田市在住の松浦和敏さんの講演があり、約150名が聴講しました。松浦さんは90分の講演で、『「あなたの奥様の病気は未だ原因不明で、治療法も確立されていない難病です」と医師に告げられたのは昭和63年12月28日のことでした。「何故、私たちが」と夫婦で一晩中泣き明かしました。私は医学書でALSの罹患者が3,4年で亡くなる確率が高いと知り、中学校教師を辞め、妻に寄り添うことを決めました。結果として妻の介護は24年におよびましたが、妻の友人や同僚、島根大学の学生の皆さんなど、たくさんの方々にご支援いただき、「治せなくても癒しはできる」との思いを強くしています。妻は大学生の皆さんのおかげで20冊の病床日記を綴りました。手足が動き、言葉が話せるという「普通であること」が、いかに有り難いことかは、障碍(=流れが悪くなる、躓く)を得てはじめて実感することですが、それでも、私たちは「障碍は克服できるもの」という意識を持っています。しかし、そうでない事態に陥ったときにこそ、それを乗り越える強い意志と誰かの助けが必要です。ALSや難病、障碍などに対する行政の経済的な支援はずい分手厚いものになりました。しかし、誰でも難病や克服できない障碍を得る可能性があり、頼れる誰かを必要としたとき、あなたが、その誰かになってほしいと思います。』と優しく語られました。