学校などがお正月休みのインドは、各地のショッピングモールや観光地などに多くの家族連れや団体旅行の人たちが繰り出し、道路は大渋滞です。高速道路は比較的空いていますが、市街地道路は大混雑で、乗用車に加え夥しい昭和30年代の日本で走っていた角ハンドルの軽のオート3輪タクシー、乗り合いバス、3,4人が重なり合って乗るオートバイが少しでも隙間があると割り込んできます。時々逆走するものもあり、片側2車線の道路は車間距離がほとんどない4列の縦列走行が続きます。少しの接触は皆平然、バックミラーはたたむかはずした車が多く、「インドの運転者は前だけを見て走るから事故は少ない」「今日は多くの会社が休みだから、乗用車は多いが、トラックが少ないよ」と言われたのには驚きました。今は乾期ですから、川(大河を含めて)の水量は少ないのですが、沐浴をはじめ牛や水牛、馬などの家畜の洗浄、ヒンドゥー教で死者を火葬して骨と灰を川に流すなどで、川はドブ川同然、ゴミ、濁り、臭いは強烈です。インドの農業はヒマラヤ山脈などからの豊富な伏流水で賄われていますから川に対するとらえ方が私たちとは異なるのでしょう。インドの政府関係者からは水や廃棄物関係の技術に大きな関心が寄せられていますが、路上のゴミや河川の浄化など生活環境や衛生思想の普及には公教育が必要で、宗教や生活様式の相違もあり、克服には少し時間がかかるのではないかと思います。ところで、カルタナカ州バンガロールのインド科学大学院大学(IISc)はタタ財閥のお金で設立され、インドではじめてアメリカのジョンズ・ホプキンス大学に範をとり産学連携が導入されています。11月5日、島根大学医学部とノーベル物理学賞を受章したチャンドラセカール・ラマン博士によるラマン効果の医学的応用を共同研究するとする連携協定が締結され、山陰インド協会の訪印団として参加している島根大学の小林祥泰学長が出席して調印式が行われました。