島根県議会文教厚生委員会は島根県が行っている「まめネット」の充実の参考にするため、旭川医科大学遠隔医療センター(吉田晃敏所長)で実践されている大学病院と地域病院の遠隔医療の「病病連携」を視察しました。旭川医科大学では1994年10月から「患者や医師が移動せず医療情報を動かす」としてITによる画像診断や手術指導、患者の管理指導などさまざまな遠隔医療の取り組みが行われており、そのネットワークは北海道のみならず国内各地からハーバード大学、南京中医薬大学をはじめタイ、シンガポールなど世界各地に及んでいます。札幌、旭川を除く北海道地域の医師不足は深刻とのことで、地域病院で診療にあたる医師と大学がTV電話によるカンファレンスなどによってマンパワーの不足や患者の負担を軽減する取り組みが実践され、さらに平成21年から医科大学の定員122のうち50が「地域枠」として道内の高校生に振り向けられるなどの対応が図られていました。学長政策推進室のスタッフは「遠隔医療の取り組みは画像診断やカンファレンス、手術指導など様々な分野で飛躍的に拡大するが、診療報酬に反映されないためコストを誰が負担するのかという大きな課題がある」と現状の問題点を指摘しました。