経済産業省によると、百貨店における決済手段で、2005年に現金、クレジットカードの割合が57:43であったものが逆転し、とうとうクレジットカード決済が現金を上回る状況となったようです。クレジットカード端末の導入を必要ないとする人は、その理由にコスト面(端末や加盟店手数料に加えて決済手数料が必要)をあげますが、家庭の可処分所得に占める電子信用決済率が20%を超えるという現実の前には全く説得力を持たない論で、みすみす20%の顧客を逃しているのに等しいのです。国内の人口が減少し、市場規模が縮小に向かう中にあって、流通やサービス事業者にとって新たな顧客の開拓は事業存続の要諦で、顧客ニーズに叶うサービス導入は設備投資と同様の最も重要な営業戦略の要素です。9月10日、広域連合議会に出席するため隠岐汽船を利用しましたが、窓口でクレジットカードの可否を尋ねたところ「否」とされ、導入についても、「予定はありません」と素っ気なく返されてしまいました。隠岐地域では、世界ジオパークの登録を祝う横断幕が掲げられ、案内看板に外国語表記の必要性も言われていますが、島の入り口で一向に渡航者の利便に応えようとしない事業者が両手を拡げている様は極めて残念なことです。